チェコスロバキア建国100周年を迎える2018年、チェコ共和国ではさまざまな祝賀イベントが開催されます。日本で人気の画家アルフォンス・ムハや作曲家レオシュ・ヤナーチェクゆかりの地で祝祭ムードに浸る特別な体験をお届けしてみませんか？
2018年とはチェコ共和国にとってどんな年なのか
第一次世界大戦終結後の1918年10月28日、チェコスロバキアの独立がプラハ・ヴァーツラフ広場で宣言されました。いわゆる「第一共和国」はその20年間の歴史の中で、経済、文化、産業、民主主義において著しい発展を遂げ、世界において重要な位置づけとなりました。アルフォンス・ムハ、レオシュ・ヤナーチェク、ボヘミアガラス、バチャなど、世界に名を馳せる人物やブランドが生まれたのもこの時期です。チェコスロバキアの独立は、現在のチェコ共和国の礎を築いた歴史に残る出来事だったのです。2018年開催の注目祝賀イベント
2018年に開催されイベントが全国で開催されます。そのうち上期／下期それぞれで楽しめる当局おすすめのイベントをご紹介します。1. RE:PUBLIC 1918 - 2018. Brno. People. Century. (5月26日～6月17日、ブルノ)
チェコ最大級の祝賀イベントの一つ「RE:PUBLIC」は、チェコで2番目に大きい都市・ブルノにおいて3週間にわたって開催されます。数々の文化プログラムや体験が用意されていますが、特に注目のプログラムは、以下にあげる4つです。スラヴ叙事詩の展覧会
2017年に東京・国立新美術館において、チェコ国外では世界で初めて、全20点まとめて公開されたスラブ叙事詩。期間中の入場者は65万人を超え、2017年最も入場者数の多い展覧会となりました。
その日本への出展以来初めて、チェコでの展示会場となるのがブルノです。RE:PUBLIC期間中、ブルノ・エキシビションセンター（Brno Exhibition Centre）にて、20作品のうちの9作品が公開予定です。
スラブ叙事詩鑑賞後は、少年ムハが聖歌隊員として過ごした聖ペトロパウロ大聖堂や、聖ヤコブ教会の納骨堂、キャベツ市場の地下道、人気レストランでの食事など、ブルノ旧市街の観光をお楽しみください。
イグニス・ブルネンシス （５月２５日～６月１７日）
毎年ブルノで開催される花火の祭典ですが、「RE:PUBLIC」開催をうけて、今年はさらにパワーアップしたものが用意されています。コンペティションに参加する花火デザイナーは、音楽やデザインなどチェコスロバキアにまつわるモチーフを2つ含めることが参加条件となっています。シュピルベルク城上に上げられるエピローグの花火は、チェコスロバキア建国100周年に捧げられます。
ダンス・ブルノ100 （5月23日～6月16日）
かつてハプスブルク帝国の支配下にあった中央ヨーロッパ9カ国の国立劇場バレエ団が集結するユニークなイベントです。ブルノ国立バレエ団によるオープニング・パフォーマンス（5月23日）は、レドゥタ劇場にて「アマデウス・モーツァルト」が上演されます。
続く日程は、オーストリアからはウィーン国立バレエ団、スロバキアからはスラブ伝統舞踊を踊るスロバキア国立バレエ団、スロヴェニアからは著名ダンサー、イジー・ブベニーチェク（Jiří Bubeníček）が振り付けを担当するリュブリャナ国立バレエ団が演目を披露します。
Would You Like a Snapshot?
「Would You Like a Snapshot?」というプログラムでは、毎日1人のプロカメラマンが、イベントの来客やイベントの様子、街並みを撮影します。市内観光中に運良くカメラマンに遭遇ということもあるかもしれません。
2.ソコル/Sokol（7月1日－7月7日、プラハ）
19世紀にはじまった「ソコル」は、身体を鍛えることを通して民族意識を高めようという運動で、近代オリンピックにも影響を与えたと言われています。アルフォンス・ムハもこの国家イベントのために宣伝ポスターをいくつも手掛け、日本で開催されたミュシャ展でもその一部が展示されていました。6年に1度しか開催されないソコルですが、本年は11のマスゲーム、パレード、展覧会などが開催予定です。チェコ国内から15,000人、海外からは2500人が参加し、圧巻のパフォーマンスを披露します。
また、より小規模にはなりますが、ソコルはチェコ各地でも行われます。たとえば6月2日にはオロモウツ、6月9日にはチェスケー・ブディェヨヴィツェ、6月10日にはブルノでの開催が決定しています。
