ベルトを緩めて、マスクをつけて・・・さあ、謝肉祭が始まります!

ベルトを緩めて、マスクをつけて・・・さあ、謝肉祭が始まります!

各地で行われる謝肉祭の料理とパレードを楽しんでください。

ベルトを緩めて、マスクをつけて・・・さあ、謝肉祭が始まります!
甘いチェコ風ドーナッツ(Kobliha/ コブリハ)、豚殺し(Zabijačka/ ヤビヤチカ:家庭で冬に消費する肉の加工品をする) 行事で作る肉料理の数々、色とりどりの仮装。四旬節前のチェコはこんなものが祭りを彩ります。一千年ちかく前まで歴史をさかのぼる習慣に従うと、肉を絶つ時期に入る前に、四旬節を乗り切る力をつけるために充分に食べておく必要があるといいます。チェコでの謝肉祭に関する記録は中世にまでさかのぼります。が、習慣自体はキリスト教の伝来以前に由来するものです。目にも鮮やかな習慣は、チェコの文化にしっかりと根付いています。フリネツコの謝肉祭パレードは、UNESCOの無形文化遺産として登録されています。

フリネツコの謝肉祭パレード

チェコ各地で謝肉祭が祝われていますが、フリネツコで行われている村の中の練り歩きは100年以上にわたって形を変えることなく続いており‐確実に、19世紀末にその根源を見ることができます。キリスト教以前の伝統に基づく習慣は、地域の家庭の中で親から子へと脈々と受け継がれることで続いてきました。そのおかげで、現在UNESCOのリストに記載されるに至ったのです。村の中の練り歩きは、例えばストゥドニツェ(Studnice)、ヴォルトヴァー(Vortová)、ハムリ(Hamry)、フリンスコの町の一地域であるブラトノ(Blatno)など、いくつかの地域で行われています。一見するとわかりませんが、練り歩きには一定のルールがあります。パレードの一行は一軒一軒の家を廻り、コブリハやアルコールを振舞われるかわりに、その家の幸せと健康を願うのです。夜は踊りと娯楽が繰り広げられます。

今年の謝肉祭パレードは、ヴィータノフ(2月1日 午前7時30分開始)、ハムリ(2月8日 午前7時30分開始)、ストゥドニツッェ(2月22日、午前9時開始)、フリネツコ=ブラトノ(2月16日 午前7時開始)、およびヴォルトヴァー(2月22日 午前8時開始)にて実施されます。またヴェセリー・コペッツの野外博物館では、2月1日10~16時に、ヴォルトヴァーの仮装をライブでご覧いただけます。更にフリネツコのベトレームと呼ばれる民俗建築保存地区では、2月25日9時30分から16時30分まで、謝肉祭の終わりを告げる祝宴が延々と行われます。

目にもおなかにも嬉しい謝肉祭を、ロジュノフ・ポド・ラドホシュチェムの野外博物館でも体験できます(2020年2月15日)。ここは中欧で最も大きな野外博物館です。ここでは謝肉祭パレードを楽しむ以外に、本当の豚殺し行事の食べ物を味わうことができます。最高のクロバーサ(Klobása:太く固めで、肉と脂の風味がしっかりしているソーセージ)コンテストや最高に美味しいトラチェンカ(Tlačenka)コンテストが行われます。トラチェンカは特に、豚殺しの行事の際に作られる食べ物です。小さく刻んだ肉をにこごりに閉じ込め、大抵はこれに酢と玉ねぎを添えて食べます。これをビールのつまみとして食べるのが最高です。

プラハで味わう謝肉祭 

プラハの謝肉祭は、仮装パレードの他、野外で供されるご馳走、そして歌と踊りで祝います。こうしたエネルギッシュなカーニバルは、マラー・ストラナのカムパ島、レトナー地区ジシュコフ区、イジーホ・ス・ポジェブラット広場、ブジェヴノフ区、あるいはカルリーン区など、プラハのいたるところで行われます。伝統的な謝肉祭料理は、市内レストランほか、例えば国立農業博物館でもお試しいただけます。この博物館では1月25日、精肉職人が腕を振るうチェコ伝統のザビーヤチカ(屠畜)の行事が行われるのです。また2月22日の土曜日、スミーホフ区のナープラフカ(河岸遊歩道)では、プラハ散策の合間に様々な豚肉料理をご賞味いただけます。更に3日間(2月22~23日、25日)に渡って行われる伝統のジシュコフ謝肉祭でも、様々なカーニバルのプログラムがお楽しみいただけます。祭りは最終日に行われる楽団、竹馬のり、アーチスト、巨大な天使のマリオネットなどの仮装パレードでクライマックスを迎えます。パレードはイジーホ・ス・ポジェブラット広場を16~17時に出発、ハヴリーチェック広場を抜けて、ビクトリア・ジシュコフのスタジアムまで進みます。
 
謝肉祭は、チェスキー・クルムロフでも盛大に祝います。大道芸人、曲芸師、そして楽団を伴う色鮮やかな伝統の仮装パレードのほか、ここでも昔ながらのザビーヤチカ料理を振舞う謝肉祭の饗宴をお楽しみいただけます(2月22~25日)。