EXPOチェコパビリオンは螺旋状
万国博覧会(大阪・関西万博)は、2025年4月13日から10月13日までの期間、大阪・夢洲で開催されます。螺旋状のチェコパビリオンは、持続可能性と自然美を体現する木材とガラスを融合させたモダンな木造建築です。館内では、最高品質のチェコガラス、世界的に有名なクラシック音楽を紹介しています。また、パリ・オリンピックのユニフォーム・デザインを手がけたデザイナーによるオーバーオールを着たスタッフがチェコをアピールします。

チェコパビリオン:木材とガラスを組み合わせた螺旋の美

The Office of the General Commissioner of Czech participation


チェコパビリオンを手掛けたのはスタジオApropos Architects(アプロポ・アーキテクツで、サステナブルな素材である木材とガラスを用いた螺旋構造の建物です。エレガントな木材構造は、ランドマーク的な存在となるだけでなく、パビリオンのメインテーマ、「人生のための才能と創造性」を具現化するのにぴったりの場所です。

Czech designer Rony Plesl (SIN_Vojtěch Vlk)

 
館内では、チェコ芸術アートガラス、科学、そして自然を繋ぐインタラクティブな展示をご覧いただけます。まずは、世界有数のガラスデザイナー、ロニー・プレスルによる巨大なクリスタル彫刻に圧倒されることでしょう。これは、独自のVitrum Vivum(ヴィトルム・ヴィヴム)技法で透明なガラスに鋳造された木の幹のレプリカです。館内には他にもプレスルの作品が、世界的に有名なセセッション芸術の巨匠アルフォンス・ミュシャの「岩の上の裸婦」と共に見学ルート上に展示されています。
 

ミュシャのインスピレーション、ショーとマスコットのレネー



展示ルートはアルフォンス・ミュシャの未完の3部作3つの時代にインスピレーションを得ており、芸術家ヤクブ・マトゥシュカ aka Masker の手による200メートルを超える壁画でクライマックスを迎えます。また、Lunchmeat Studio(ランチミート・スタジオ)によるインスタレーションが、マルチメディア空間の雰囲気を高めます。更に展示の中には、ガラスメーカーとしてトップクラスのLasvit社の「ハーバリウム」があります。これは、ガラスの中に閉じ込められた植物の繊細な美しさを捉える独自の技法を用いて制作されています。

チェコパビリオンのマスコットはレネー。緑色のぬいぐるみで、チェコガラス芸術界のレジェンド、レネー・ロウビーチェクのデザインに基づいています。彼は1958年のブリュッセル万博に展示した作品で、世界を魅了しました。レネーは、ウランガラス(UV光の元で輝く)を思わせます。というのも、ロウビーチェクはチェコスロバキアで初めてこのガラスを試した人物なのです。レネーの物語チェコクリスタル発症の地、クリスタルバレーで発見されました。

どこもかしこもガラス

Harrachov Glass


ガラスの展示物はパビリオンのいたるところにあります。万博会場全体を一望できる屋上バーでは、ハラホフ(Harrahov) のガラス工房が制作したハンドメイドグラスに注いで、個性豊かなカクテルを提供します。レストランでは、名門ガラス工房のKvětná 1794社製のグラスに飲み物が注がれます。また、パビリオン内にはPreciosa(プレシオサ)社のインスタレーション「Crystal Grid(クリスタル・グリッド) 」も設置されます。
 

ヴェプショ・クネドロ・バオ(Vepřo-knedlo-bao):アジア風チェコ料理



料理
はチェコパビリオンの目玉の一つです。シェフたちはお腹をすかせた大勢の来場者をもてなす準備を整えています。満席時には、1日に2,000食の食事と500mlグラスのビール5000が提供される予定です。メニューはチェコの味を現代風にアレンジし、ほのかなアジア風のアレンジを加えたものです。例えば、以下のような料理が並びます:

  • スモーク肉と赤キャベツが入ったジャガイモクネドリーキ

  • ヴェプショ・クネドロ・バオ:伝統的な、豚のロースト肉をつかった料理とアジアのパオのフュージョン

  • ホームメイドの煮凝り、鱒のロールモップス

  • ドゥカートヴェー・ブフティチキ(Dukátové buchtičky:ジャムの入った小型の菓子パン)のクリームソースがけ、プラムジャムあるいは甘いカッテージチーズのブフティチュキ

食べ物と一緒にピルスナーウルケル(Plzeňský Prazdroj)やThayaワイン醸造所のワインも提供します。

モード:デザイナーが手掛けた作業着

Credit for Jakub Zeman


スタッフのユニフォームは賞を獲得したデザイナー、ヤン・チェルニーのデザインです。チェコのワークウェアと日本の作業着のニュアンスを合わせています。チェルニーが2024年のパリオリンピック向けにデザインしたユニフォームのコレクションは、Time誌が行ったかっこいいユニフォームコレクションのトップ3に入賞しています。

全ての人のための文化



チェコパビリオンでは26週間で200人を超える芸術家が、入れ替わり立ち代わり出演します。音楽、舞台、マルチジャンル-伝統的な音楽から現代的な作品、人形劇と様々です。これらの出し物がクライマックスを迎えるのは7月24日のチェコの日。この日は世界的に有名なアルフォンス・ミュシャの生誕165周年なのです。チェコフィルハーモニー管弦楽団、新しいサーカスのCirk La Putyka、チェコ放送児童合唱団とチェコで活動している歌手のAikoが出演します。

文化プログラム:クリスマスからKingdom Come まで

Kingdom Come: Deliverance II (Warhorse Studios)


2025
53日-6
チェコパビリオンのパートナーの中の1団体であるチェコ政府観光局は、チェコ文化と手工業に焦点を置いたプログラムを準備しました。この枠内で行われるのは、リベレツ地方のガラス産業のデモンストレーションです。UNESCO文化財登録された、伝統のクリスマスオーナメントの会社であるポニクラー(Poniklá) のRautis社が実演します。また、文化の歴史と現在がおもしろい形で結びついているのは、チェコのゲーム産業の紹介でしょう。具体的にはWarhouse Studios制作の、今特に人気があるゲームKingdom Come: Deliveranceを紹介します。

また、人形劇ヴァーツラフ・ハヴェル元大統領作の劇、Audienceを日本の学生がチェコ語で演じます。さらにチェコクラッシックの合唱もあります。

202558:チェコのパートナー企業が日本の旅行代理店と出会います:ネットワーキングは盛大なパーティーで幕を閉じます。

202564日-6:この3日間はチェコの食文化ビール産業ワイン醸造業、各地方の伝統の味にスポットが当てられます。

2025616日-18ブルノ市学術・文化・創造性の中心地として紹介します。

202592日-7プルゼニュ地方が文化、手工業と西ボヘミアの伝統に焦点を当てたプログラムを行います。

栄光の軌跡:プラハのブリュッセル



チェコ共和国
(昔のチェコスロバキア)は、万国博覧会出展において長い歴史をもち、その中で成功を収めてきました。1958年のブリュッセルExpoで、チェコスロバキア・パビリオンは最優秀賞であるGrand Prixを得ています。Expoが終わってからそのモダンなパビリオンプラハに移されました。現在もレトナー公園にあり、ギャラリーとして利用されています。

そのパビリオンへの散歩の途中には、プラハの美しい眺めが楽しめますし、ついでにプラハ城まで足を延ばしてみる、あるいはレトナー地区からヒップスター地区、ホレショヴィツェ (Holešovice)に向かうのがお薦めです。新市街から行くのも良いでしょう。そうすると、例えば途中でセセッション様式市民会館に立ち寄ることができます。

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