チェコ近代建築の至宝を訪れてください
チェコを巡る建築ツアーはいかがですか。世界的にもトップクラスの評価を受ける建築物ばかり。踊るビル、ガスタンクの中にあるコングレス・センター、世界最長のつり橋、ザハ・ハディド設計の新しい建築物。これらはチェコが誇る近代建築のほんの一部にすぎません。

プラハ:フランツ・カフカの頭部像があるダンシング・ビルディング

プラハでは必ず、現代美術の展示場として有名なDOXKunsthalleにおいで下さい。これらの建物は工場跡地に作られました。しかもDOXでは、飛行船Gulliverに乗り込むことができます。この飛行船だけでも逸品であると言えます。

象徴的なダンシング・ビルは見どころです。この建築はアメリカの雑誌Timeによって名誉ある賞を受けています。ヴルタヴァ川を散歩してナープラフカまでくると、いわゆるコプキ(河川を行く舟の倉庫)に行き当たります。ここはユニークなガラスの丸いドアが施されており、内部には心地よいカフェ、クラブ、ギャラリーが入っています。

国民劇場そばには、更に2つの建築物、DRNQuadrioがあります。DRNは21世紀の宮殿建築で、緑地や公共スペースのクオリティや独創的なインテリアも重視しています。ショッピングセンターQuadrioの裏手にゆけば、芸術家のダヴィド・チェルニー作、部分に分かれ回転するフランツ・カフカの巨大な頭部像が顔をのぞかせます。カフカの頭と撮影した自撮り写真は、あなたのオンラインアルバムにありますか?

そして、首都建築散歩の最終地点はここ。今年の秋オープンの、ザハ・ハディドの手による最新の建築物、マサリチカです!歴史あるマサリク駅そばで金のファサードを輝かせる息を飲む様な建物は、ショッピングだけでなく食の中心地にもなることでしょう。

オストラヴァ:世界のトップ10建築物に入るガスタンク、元屠畜場のギャラリー

工場跡地をうまく利用した建築物を見にオストラヴァへ、正確にはドルニー・ヴィートコヴィツェへ足を延ばしてみてください。見どころはボルト・タワーで、展望台とカフェのある螺旋の塔を登れば、火の消えた高炉の上へといざなわれます。

そのすぐそばには円筒形のマルチファンクション・ホールGongがあります。ガスタンクを作り変えることで生まれました。ミュンヘンの有名な見本市Expo Realでは、世界のトップ10建築の中に数えられた建物です!ここではコンサートが行われており、国内でも特に魅力のある会議場の1つになっています。

そのそばにあるインタラクティヴ・テクニカル・ミュージアム(Malý svět technikyは、かつての工場生産ホールを改装して作られており、子供も大人もテクノロジーの秘密を覗けるインテラクティヴな遊びを提供しています。

近代芸術の愛好家であれば、オストラヴァでギャラリー・プラトを訪れてみてください。ここは元屠畜場でした。改築によって見事な建築と芸術の融合を実現し、数々の世界的な賞を獲得しています。

パヴロフ:過去の深淵に誘うコンクリートラビリンス 

貴重な博物館コレクションのためのユニークな環境は、他のチェコ建築の至宝にもあります。例えば南ボヘミアパヴロフ考古学パーク(Archeopark Pavlovでこれを確かめてください。地下にあって洞窟の通路を思わせるコンクリートラビリンスと、地面から突き出て周囲を照らす大きなモニュメントは、この地に数千年前に存在したマンモスハンターの世界を思わせます。はるか昔の世界と現在を、これ以上にスタイリッシュに結びつけることはできないでしょう。

パルドビツェ:ピカソもうらやんだキュビズム

パルドビツェはユニークなキュビズム建築の自動水車が有名です。ここには有名なチェコ人キュビズム建築家を偲ぶ、ゴチャール・ギャラリーがあります。建物のインテリアはミニマリストの装いに刷新され、2023年チェコ建築賞にノミネートされています。チェコのキュビズム建築の多さは世界に類を見ない、大変珍しいものです。これを見ない手はありません。例えば他のゴチャール建築を訪れてみませんか-プラハには雰囲気あるカフェ、グランドカフェ・オリエント(Grand Café Orient)の入った黒い聖母の家(Dům U Černé Matky Boží)があり、コリーン・ウ・プラヒにはバウエル邸があります。

ヘルフシュティーンとカメニツェ:ステレオタイプを打ち破り、モダンを打ち出すことで成功!

チェコは歴史が深く、壮大な城や魅力ある城館が数多くあることを誇りにしています。それらの建築が持つ不可侵性を打ち破るのは、相当の勇気が要るものです。しかし、これを敢えて行っただけの結果が出ています。
ヨーロッパをバルトから黒海まで抜ける琥珀の道の一部を現在まで見守るのは、モラビアのヘルフシュティーン城です。その改修工事はチェコ建築賞を受賞しています。中世の石の美と現代のマテリアルを用いたモダン建築手法の共生には、建築の専門家でなくとも驚嘆することでしょう。

もう1つの例はプラハから数キロのところにある、ネオゴシック様式のカメニツェ城館に対する近代的改修です。ヨーロッパ最大の列車車両工場の創始者であるリングホファー家の邸宅でしたが、数年前にその昔のオランジェリーを思わせるようなモダンな増築を施しました。建築家たちはここで難問に立ち向かい、周囲の環境と調和し文化遺産の価値を守る改修を実現したのです。あなたの目で確かめてください!

Helfštýn Castle, ceskacenazaarchitekturu.cz, ©BoysPlayNice

ウースティー、ドルニー・モラヴァ、ノヴィー・ボル:鋼鉄の巨人とガラスのビル

エルベ川にかかる技術的にユニークなマリアーン橋は、20世紀末ヨーロッパの美しい建築トップ10に入りました。北ボヘミアの中心都市、ウースティー・ナド・ラベムの一部を結んでいます。

チェコの反対側にあるドルニー・モラヴァの山岳リゾートでは数年前に、世界の吊り橋の1を獲得した橋がオープンしました。ユニークなSki Bridge 721は、ここにある空中歩道と共に国内でも特に訪れる人の多い場所になっています。

次の素晴らしい建築、ガラスのファサードがあるビルを見学しに、ノヴィー・ボルへ出かけてください。ここにはガラスやクリスタルのオブジェ、例えばツール・ド・フランスやUS Openのトロフィーなどを生産する世界的メーカー、ラスヴィット(LASVIT)があります。この会社はリアーナやジャスティン・フィーバーといった世界的スターの邸宅の装飾も手掛けています。

スタイリッシュな空間でグルメ?チェコでなら簡単にかないます!

プラハのGinger&Fredでロマンチックなディナーはいかがですか?プラハ城小地区の息をのむ様な景色を堪能できるダンシング・ビルの7階でなら、食事も倍おいしくなること請け合いです!

芸術家のダヴィド・チェルニーは、プラハにいくつかの像を立てただけでなく、Cyberdogというレストランまで作ってしまいました。ここでは、オーダーはタブレットを介して行い、ワインはロボットが注ぎ、オートマチックシステムが料理を運びます。未来がここから始まるのです!ダヴィド・チェルニーのキューブロイドです。ホテルには世界や国内の芸術家、例えばアンディ・ウォホール、ダミアン・ハーストあるいはペトル・パストルニャークの傑作が展示されています。

じゃあ、ワインを味わうにはどこへ?南モラビアへ!おススメは限りなくありますが、敢えて2か所をご紹介します。ズノイモエノテーカ(Enotéka)は町の中心にあった昔のビール醸造所の空間を改装したもので、テイスティング用の自動販売機「by the glass」があります。また、ズノイモそばのワインセンター、ラホフェル(Lahofer)は世界的に権威ある建築雑誌に紹介されました。

建築の日」フェスティバルをお見逃しなく!