2025年9月9日、アメリカのベストセラー作家、ダン・ブラウンの新作小説が発表されました。シークレット・オブ・シークレッツと名付けられた小説は、プラハの中でも特に美しく歴史の深い価値ある場所だけでなく、予想もしなかった首都の一角へ読者をいざないます。今や世界的に名の知れたロバート・ラングドン博士、神秘の力、秘密情報機関、世界規模での陰謀など、スリルあふれる物語がチェコの首都を舞台に繰り広げられます。

マジカル・プラハ:ゴレムからフランツ・カフカまで
 



ダビンチ・コードあるいは天使と悪魔といった、ダン・ブラウンの人気小説のファンではなくても、緊張感とロマンスに満ち、スリリングで細部まで書き込まれた作品に誰しも夢中になるでしょう。ブラウンは、世界的に有名な架空の大学教授の目を通してプラハを体験させてくれるだけでなく、欧州の心臓部にある百塔の町が、雪に覆われるすがすがしい冬景色を見せてくれます。皇帝ルドルフ2の時代から魔法的で神秘的と言われてきた町の様子についてダン・ブラウンは、小説の中でこのように表現しています「敏感な旅行者は、今日のプラハでもその超自然的なオーラを感じ取ることができる。」

Petřín Gardens and Prague Castle with St. Vitus Cathedral (on the left)


シークレット・オブ・シークレッツの主人公で、宗教における象徴とシンボルを専門とするハーバード大学の教授、ロバート・ラングドンは、ロマンス、ゴシック、バロック、ネオ・クラシック様式の建築物が唯一無二の形で混在する「時間の流れの中で凍り付いた」魔法の町、プラハを体験します。物語はプラハで起きるのですから、謎に満ちたユダヤ人街-中欧で現存するシナゴーグの中でも最古の新旧シナゴーグ(Staronová synagoga)や、古いユダヤ人墓地があるヨセホフ地区 (Josefov) が描かれたのは当然のこと。物語には「変身」を著した、プラハ出身で世界的に有名な作家のフランツ・カフカも登場しますし、ゴレムの伝説に至っては、思いもよらない形で物語に組み込まれています。

最高にロマンティックなカレル橋で繰り広げられるドラマ

物語はヴルタヴァ川河畔に立地する高級ホテル、フォーシーズンズから始まります。小説の主人公であるロバート・ラングドンは、このホテルのキングスイートに滞在しています。このホテルから朝のランニングに出かけ、その後、彼が古代の寺院のような印象を抱くストラホフのプールにも行きます。プラハ歴史地区にあるホテルの部屋からは、世界最大の城面積を誇るプラハ城への素晴らしいパノラマの眺めが開けています。更にダン・ブラウンは読者を、その昔騎士の剣術トーナメントが行われ、現在ではチェコの戴冠の宝物が公開展示される(2025918日~29)、



壮大なヴラティスラフ・ホールへも誘います。そして、荘厳な聖ビート教会 (Katedrála sv. Víta) は、ラングドン教授が建築上の至宝と捉える建築物として描かれています。とりわけ、欧州でも特に大きな鐘の1つである17トンの重さの鐘「ジクムンド(Zikmund)」を備える、100メートルの高さの鐘楼に魅力を覚えるのです。

©David Jurion

ラングドンは読者と共に、ホテルから徒歩で数分のカレル橋に向かいます。ダン・ブラウンは物語の中でこの橋を「世界一ロマンティックな橋と称賛されている」と表現しています。ヴルタヴァ川にかかるこの「町の中でもひときわ輝く高貴な宝石」のたもと、ガス灯がともる雪景色の中で、物語のカギとなるシーンが展開されるのです。ここで、ラングドンの恋人であるキャサリン・ソロモンも含めた新しい登場人物たちが巻き込まれる、ドラマティックでスリリングな事件の連鎖の発端が起こります。キャサリン・ソロモンは、人の意識をテーマにする純粋知性科学者。人の脳と意識がもつ可能性こそ、この物語の中心的モチーフです。

アルベルト・アインシュタインが講義したクレメンティヌムへ

The Klementinum Library


ダン・ブラウンは主人公達をプラハの中心街へ向かわせ、私たちは彼らと共に歴史的な街の中で特に重要な広場、旧市街広場へたどりつきます。旧市庁舎ティーン教会(ティーンの前の聖母教会)の横にはバロック様式の聖ミクラーシュ教会がそびえ、そこには観光の目玉である、今も機能する天文時計としては世界最古の旧市街の天文時計もあります。また、有名な天文台を備え、世界で特に美しい図書館に数えられるクレメンティヌムの中にも入ります。この場所は過去に、多くの著名人が活動してきました。アルベルト・アインシュタインはここで教鞭をとり、著名な作曲家であるウォルフガング・アマデウス・モーツァルトも幾度かコンサートを行っています。
 

読者は他にもこんな場所を目にします:

The Dancing House
  • 知識人や作家が通うティーン文学喫茶 (Týnská literární kavárna)
  • 世界でもトップクラスのホテルバーであるBlack Angel’s Bar
  • 1232年にまでその歴史をさかのぼる、ハヴェル市場 (Havelské třiště)
  • 建築家、フランク・ゲーリーによるモダン建築の至宝、ダンシング・ビルディング(Tančící dům)
  • プラハの幼子イエス像を所蔵する、勝利の聖マリア教会 (Kostel Panny Marie Vítězné)
  • スラブ島にあるネオ・ルネサンス様式の宮殿、ジョフィーン (Žofín)
  • 豪華な邸宅があるプラハのブベネチュ地区 (Bubeneč)
 

プラハの地下に潜む、秘密の力

The Petřín Lookout Tower


もう1つのカギとなるシーンは、ストラホフ修道院近くのペトシーン展望台が舞台。ストラホフ修道院は、ストラホフの図書館と中欧でも特に重要なコレクションであるギャラリーで有名です。いつでも恋人たちがデートしているペトシーンの丘のふもとには、共産主義の犠牲者を弔う記念碑があります。ラングドンはこれを、欧州で最も印象的な芸術作品であると述べています。

The Bastion U Božích muk


ブラウンの物語の核心は、ゴシック様式の城壁を基礎とするバロック時代の要塞の遺構、ウ・ボジー・ムク(U Boží muk/ 神の苦難) の砦と、ヌセル橋 (Nuselský most) の下にあるフォリマンカ公園 (Park Folimanka) の間で展開されます。この場所でロバート・ラングドンはキャサリンと共に、秘密の研究施設の中に人の意識に関する常識を覆すものを発見するのです。
 
ダン・ブラウンは食に関する描写も忘れていません。例えばキャサリンは「驚くほどおいしい」トラチェンカ(Tlačenka/ 煮凝り)を食べますし、チェコ独自のコーラ飲料、コフォラ(Kofola)も登場します。
 

更に他にもブラウンが描く、プラハの興味深い場所

Bronze Franz Kafka Sculpture by Jaroslav Róna

  • 有名なレノンの壁:ジョン・レノンと自由の思想にインスピレーションされた文字や絵で埋め尽くされている、カンパ公園そばのカラフルな壁。
  • 所謂「傘の人々」:プラハ1区の展示。屋根や街灯からぶら下がる、開いた傘を持つマネキンたち
  • 一風変わったフランツ・カフカの銅像:旧市街とヨセホフ地区の間にある、有名なシュールレアリズムの像
  • ホテル・アルキミスト (Hotel Archymist):小地区にある、バロック様式の宮殿を利用した高級ホテル
  • シュールレアリズムの鍾乳石の壁:ヴァルトシュテイン宮殿 (Valdštejnský palác) の庭園にある幻想的な石の壁
  • シグナル・フェスティバルの投影:プラハで毎年10月に行われるライトショー
  • アメリカ合衆国大使公邸(いわゆるペチェク邸):現在アメリカ合衆国大使公邸となっている、1920年代の壮大な邸宅
  • シェーンブルン宮殿内、アメリカ合衆国大使館小地区 (Malá strana) にあるバロック様式の宮殿。アメリカ大使館の所在地。

The famous Astronomical Clock on Prague’s Old Town Square

今度はあなたがプラハを体験しましょう

ダン・ブラウンの「シークレット・オブ・シークレッツ」は、世界中の恋人たちや旅行者、映画関係者、ひいては有名な作家たちをも魅了するヨーロッパの中心地プラハの古い小道へ読者を誘う独特な作品です。
 
あなたもプラハで自分の冒険の物語を描きませんか!プラハがあなたを待っています。
今年最大の話題作!Dan Brown の新作小説がプラハを舞台に登場

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この文学イベント、スリルファンは見逃せません!『ダ・ヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』といった世界的ベストセラーで知られるアメリカの作家、ダン・ブラウンは、歴史と謎をこよなく愛する人物です。さらに、プラハやチェコ文化にも強い情熱を抱いています。そんな世界的スター作家が、新作小説『ザ・シークレット・オブ・シークレッツ』を2025年9月9日に発売すると発表しました。物語の舞台は、ヨーロッパの鼓動ともいえる都市・プラハです。
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